占い徒然草#009
突然ですが占ってもいいですか? Vol.1

私が占いを通じて得た経験!
私は占いを通じて人生で様々な経験をさせていただきました。
そのひとつにマスメディアのお仕事があります。
テレビやラジオなどの出演や、雑誌や新聞に載せる占い原稿の寄稿や、私自身が取材を受けて掲載される私の紹介記事など、普通ではありえない体験を沢山させていただきました。
特にラジオでは単発の出演だけでなく、週1回音楽番組の専属占い師として3年間レギュラーで出演させていただき、PRに来られたミュージシャンや芸能人の方を占うこともさせてもらいました。まさしく今の「突然ですが占ってもよいですか?」と同じようなことをさせていただいたのです。
当時は今のようなネット社会と共存するようなマスメディアの時代とは違い、マスメディアの情報が中心の時代だったので本当に貴重な経験をさせていただいたと感謝しております。
その様な有益な経験をさせていただいたからマスメディアにおける「占い」との関わりが見えることも多々あります。
そこで今回は、「突然ですが占ってもよいですか?」について私見を述べさせていただきたいと思います。
今までに無い占い番組!
以前より私はテレビ欄に「占い」という文字があればその番組を録画して楽しみに拝見していました。
それは、私が出演させていただいた占いの番組企画も含め、占いへの興味と好奇心があるためです。
いつもの習慣で「突然ですが占ってもいいですか?」を録画して番組を見ると正直驚きました。それは今までに無い占い番組が始まったからです。
何故なら、複数の占い師さんでメインを務め、「フォーチュンウォッチャー(幸運見届け人)」という名称のMCの方が占い鑑定を見て感想を述べる形式での占い番組は私が知る限りでは見たことが無かったからです。
加えてMCは通常の司会者の役割とは違い、幸運見届け人(MC)に、沢村一樹さん・水野美紀さんの有名俳優と、みちょぱさんの有名タレントが務め、それぞれがVTRを見て第三者として率直な感想を述べる内容で番組が構成されていたからからです。
通常私が知る過去の占い番組は、番組の中の一つの企画として存在するものでしたが、メインで番組を持たれた方が過去に二人います。それが、細木数子さんの「ズバリ言うわよ!」や「幸せって何だっけ」、江原啓之さんの「オーラの泉」です。
ただ、このお二人のように軸になり核になる有名占い師さんがいて番組が作られることがあってもそれ以外では考えられませんでした。また、このお二人はタレント性もあり別格だったと思います。
さらに「突然ですが占ってもよいですか?」は今までの占い番組には無かった、洗練されたセンスで明るく占いを届ける番組内容になっていることでした。
例えば「相対性理論」という注目度は高いがメディアへの露出が少ないバンドの歌をテーマ曲にしたり、「LOCK-ON」という言葉を使い占い師が占いを的中した場合の演出があったり、その他にもVTR中には数多くのJ-POP・K-POPがBGMとして流れているのでした。
どうしても占いは暗いイメージになりやすく、過去の占い番組はたいてい神秘的なイメージを演出するためにセットも落ち着いた感じのものや黒色をベースにしたセットが多いものでしたが「突然ですが占ってもよいですか?」は違っていました。
2020年4月番組スタート
「突然ですが占ってもよいですか?」は2020年の4月からレギュラー放送が開始されました。
番組当初は「突然ですが占ってもよいですか?」の番組名の通り、占い師さんが街ブラをしていきなり一般の人を占うという内容で、仕事終わりに大衆酒場で飲んでいる人や友人達と飲み会をしている人達に突然声をかけ占いをさせてもらうという番組内容でした。
したがって、放送開始当初は飲み屋街に占い師さんが出向き、普通に飲み会をしている人を占う構成内容になっていたのです。
鑑定を受ける人は、芸能人や有名人ではないため鑑定依頼者の事前情報は一切無く、正にガチンコな占い鑑定を視聴者にお届けする意味合いの番組でした。
占い師さん達は、それぞれの占い手法に必要な情報だけを鑑定依頼者から聞き占い鑑定をする、いわゆる普段占い師さんたちが行っている占い鑑定と同様のスタンスというもので、占い師さんもリラックスして通常通りの鑑定ができるようになっていました。
そんな番組の見所は、占い鑑定で一般の人が占いで言い当てられる姿や占いの的中率に驚く姿、さらにその後、占いのアドバイスを取り入れて行動したか否かを確認し、占いで未来を良い方向に変えられたのか?など視聴者の人に“占い”のリアルを見てもらうのが番組当初のコンセプトでした。
新型コロナウイルス感染症の拡大
2020年4月の番組開始時は、ちょうど”コロナ禍“が始まる時期で、世界で新型コロナウイルス感染症の流行が拡大し、未曾有の世界的危機が始まる年でもありました。
感染症の拡大が2020年3月頃から新聞やインターネット上において広く用いられるようになったので「突然ですが占ってもいいですか?」は正に新型コロナウイルス感染症の拡大と時を同じくして始まった番組なのです。
世界がコロナ禍によってその後の人々の生活習慣が一変しました。リモートでの会議や飲み会、マスク着用など今では“日常”ですがコロナ禍がもたらした急変だと私は思っています。
当時の日本政府は感染を抑えるために緊急事態宣言を発出し「外出自粛」や「公共施設の使用制限」「都市封鎖(ロックダウン)」「事業者への休業」「飲食店などの営業時間短縮」などの各要請を行いました。人との接触を避けて感染が拡大しないように政府が国民に様々な要請をしたのでした。
そのような社会情勢のなか占い師さんが街ブラをして一般の人を占う、という今まで出来ていたことが急に出来なくなっていったのです。
そこで番組は今まで通りの対面鑑定のようにリモートを使って一般の人を鑑定したり、現在の主なスタイルである「著名人の方を招いて占う」という内容で番組を継続していったのです。
偶然の産物? 嬉しい誤算?
著名人の方を招いて占う番組は、細木数子さんや江原啓之さんの番組でもありました。
ただ、「突然ですが占ってもよいですか?」は今までの軸や核になる占い師さんが中心の番組ではなく、招いた著名人の方を占い師さん達が真剣に占うことで、視聴者や著名人の方にいる固定ファンを意識した番組作りになっていると感じました。
私も昔、週1回ラジオの音楽番組の専属占い師としてレギュラーで出演させていただき、宣伝やPRに来られた著名人の方を占うことも多くさせてもらいましたが、その当時のディレクターの方に言われたアドバイスを今でも覚えています。
それは『宣伝やPRに来られる著名人はテレビ、ラジオ、雑誌のインタビューで回答する内容は事前に想定してこられます。
インタビューをする側も著名人に失礼が無いようにNGワードをなるべく避け、質問する内容を事前に用意していきます。
だから、どのマスメディアに著名人が出演してもPRで訪問した際はインタビューの内容が同じような感じで面白くない中身になってしまいます。
ただ、占いはインタビューとは違います。自分が学んだ占い手法で自信を持って鑑定結果をお伝えして下さい。何故ならそれが占い師さんの仕事ですし、PRに来られた著名人のファンやリスナーの人も普段聞けない著名人の意外なエピソードや意外な素顔が見えるかもしれないので印象に残る内容になると思うのです。したがって、著名人の方への忖度は一切必要ありませんので鑑定結果をそのまま告げてください』と言っていただきました。
私はその言葉通り著名人の方を真剣に占い、結果多くの反響をいただきました。
「突然ですが占ってもよいですか?」もコロナ禍での試行錯誤の中での偶然の産物なのか、嬉しい誤算なのか、それとも必然の流れだったのか、現在の著名人の方を招いて真剣に占うスタイルはSNSが発展した現在、ネットニュースに番組内での鑑定結果が度々記事になるぐらい反響が凄く、開運方法などを世間に発信するなど占いの枠を超えた番組へとなりました。
2025年9月現在も続く長寿番組に!
「突然ですが占ってもよいですか?」は番組開始から2025年9月時点で5年半年続く占い番組になりました。
その期間に新しい占い番組「占いなんて信じない」という番組名で2022年の10月からテレビ東京系の全国放送で始まりました。MCは名司会者である極楽とんぼの加藤浩次さんが務め、占い師さんが3名スタジオでスタンバイし、招かれた著名人を占う内容でした。
私はこの番組こそ昔からある占い番組の形で、司会に加藤浩次さんを起用するほどテレビ局が力を入れた番組だと思っていました。しかし2023年3月、半年間で番組は終了してしまいました。
対照的に「突然ですが占ってもよいですか?」は放送時間が変わったり、全国放送ではなくなったりしましたが根強い固定ファンが多く、配信の再生回数が良かったりと飛躍を遂げる番組になりました。
通常は「占いなんて信じない」のように半年ぐらいで占い企画が終わるのが私が知っている占い番組で、「突然ですが占ってもよいですか?」のように5年以上続けばもう占いの長寿番組だと私は思っています。
さらに、2025年1月に元SMAPの中居正広さんから端を発したフジテレビの対応をめぐる一連の騒動「フジテレビ問題」も、フジテレビで放送されている「突然ですが占ってもよいですか?」だからこそできる占いの未来予測を使って内部から変えていくことに期待しています。